~Still~
エレナは颯太の体を突き飛ばした。

けれどもう、力がなかった。

簡単に引き寄せられて、エレナはもがいた。

「やだやだ、離してっ!もう、嫌、離してっ!離してったらっ!!」

「聞けっつってんだろっ!!」

颯太が声を荒げた。

颯太の大声に、エレナの体が硬直した。

硬直した体とは裏腹に、ハラハラと涙が頬を伝う。

颯太はエレナの瞳を至近距離から覗き込み、必死で語りかけた。

「確かに、俺は高宮さんと寝ました。けど、それは今から半年以上前の話で、彼女とは恋人同士じゃなかった。
勿論、あなたと再会してからは、体の関係だって解消しました」

エレナは、勝ち誇った顔の高宮理恵を思い返した。
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