~Still~
エレナはそこから立ち去ろうと身を翻した。

颯太を待っていられない。

だって、あんな別れ方して……気まずい。

それに、何を話していいのかも、分からない。

怖すぎる。

踵を反して駆け出そうとしたとき、エレナは誰かにぶつかった。

「きゃっ!!」

「うわっ!!」

衝撃が体に ガツンと響き、エレナは思わずギュッと眼を閉じた。

逞しい腕が、エレナの体をフワリと抱く。

けれどそれはほんの一瞬で、エレナはすぐに離れると眼を上げ、自分がぶつかった人物を見た。

「隆也?!」
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