俺たちの妹・2
「でも私の事で、葵の時間を潰したくない」

「…………俺は時間を潰されてるなんて思わないけど?」


そう言って、私の頭を撫でてくれる。


「私は…………思っちゃうよ。どうして………」

「ん?」

「どうして葵はそんなに優しいの?」



思わず体を起こして葵に訪ねていた。


「…………俺にとってみぃは大切な存在だからだよ」

「でも、葵には負担ばっかり掛けてるよ……葵は忙しいのに……」


話しているうちに、涙が溜まってくる。


「今日のみぃは不安定だな……」

そう言いながら、そっと涙を拭ってくれた。




「やっぱり、今日は帰って?」

葵が側に居たら甘えちゃう……


「こんな不安定なみぃ置いて帰れる訳ないでしょ」


「葵の時間を潰したくないっっ」


「大丈夫だよ。みぃが気にするほど今は忙しくないから」

「…………じゃぁ、尚更ゆっくりしてなきゃ」

「大丈夫だから。みぃはほんと気にしなくていいんだから………ね?」

葵は私の手を握りながら微笑んでくれた。





葵は帰ってくれる気配がない。





今も時間をつぶす為に、ひな兄の部屋で読んでない本を探してる。






あ…………私が動けばいいんだ。


そうなったら、上着だけ羽織って玄関を目指した。

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