午前0時の恋人契約
「あの……?」
だ、誰……?
見ず知らずのその人にキョトンと首を傾げると、目の前の彼……茶髪の若い男性は、私の顔を見て笑う。
「おねーさん、なにしてんの?ひとり?一緒にごはん行かない?」
「へ?あ……人と、待ち合わせをしているので」
「へぇ〜、あ、じゃあ相手くるまでちょっとお話しない?ていうか連絡先交換しよーよ」
えっ……えぇ!?
これはいわゆる、ナンパというやつ!?
人生で初めての経験に、驚き、どうすればいいのか戸惑ってしまう。そんな私にも、その人は携帯を片手に「ね」と笑った。
ど、どうしよう、断りたい、けど変な断り方をして逆ギレされて刺されたりしたらどうしよう……!
ここはおとなしく連絡先教えておくべき?でも個人情報が……けど、でも、あぁ〜……世の中の女の子たちはどうやってナンパを断っているんだろう。
そう必死に考えをめぐらせていると、突然後ろからぐいっと肩を掴まれた。
「悪いけど、あいにく予約済み」
その声に隣を見れば、そこには私の肩を抱く貴人さんがいた。
突然の彼の登場に、男性は私以上に驚き、怯むように素早くその場を後にする。