午前0時の恋人契約
「好きだと思える人に、恋をして過ごしていきたい。叶ってもダメでも、貴人さんが教えてくれた気持ちと、生きていきたいと思う。……だから、お見合いはしない」
決められた相手と、上辺で寄り添うのではなく、好きな人に胸をときめかせて、時には切なくなって、泣いて、そんな日々を過ごしたい。
そう思えるようになったのも、貴人さんのおかげだから。
この想いが、言葉が、彼と過ごした日々の証。
真っ直ぐに目を見て伝えた私に、目の前の父は驚き、少し戸惑い、困ったように笑った。
「……そうか」
それは、納得したような小さな笑顔。
「娘からこんなにも堂々と好きな人の話を聞くのは少し複雑だな」
「あっ!え、えと……」
「だが、お前がそうしたいのならそうすればいい。父さんは、それを見守るだけだ」
お父さん……。
頷き微笑むと、その目は貴人さんの方へと向けられた。