ウェディングロマンス~誓いのキスはふたりきりで~
悪意的な噂でも、最近は神経麻痺して傷付かなくなってたのに。
いつもと違う好意的な言われ方に、ほんのちょっと驚いた。


「考えてみたらさ、倉西さんの女性関係の噂も、半年位前からぱたっと聞かなくなったよね。それってやっぱり、奥様との結婚が決まったせいかな」

「そうなんじゃないの? そりゃ、いくらなんでも結婚ってなったら、そういうのは清算しとかないと」

「……つまり、今は本当に奥様だけってことなんだよね」


はああっと、なんだか深い溜め息が聞こえる。
それを聞いてむず痒い気分になった。
『私だけ』って言われ方が、妙にドキドキする。


「……羨ましい」

「ほんと。それにさ、前はなんであんな子が、って思ったけど……最近結構頑張ってるって聞くよ」

「まあ、倉西さんに釣り合う為には、そのくらい頑張ってくれないと、って思うけどね」


なんだろう。
なんだか胸にジワジワと染み入る言葉だった。


響さんと一緒に仕事出来るチャンスだと思ったから、仕事に立ち向かってみた。
与えられた仕事にただ必死に打ち込んでいただけなのに、見ず知らずの人がこんな風に言ってくれるようになるなんて。
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