ウェディングロマンス~誓いのキスはふたりきりで~
銀行の支店で窓口営業時間が終わる午後三時。
お客さん相手の仕事ではない本部でも、なんとなくちょっと一服って空気が流れる時間。
こんにちは~と、明るい声がオフィスに響いた。それと同時に……。
「ふぎゃああっ!」
オフィスではそうそう聞かないけたたましい泣き声。
何事っ!?と、驚いて顔を上げると、周りの社員達も反応は私と同じで。
「あっ!」
私の他にも、数人の女性の先輩が立ち上がった。
そして、ドア口で小さな赤ちゃんを抱いて立っている女性に駆け寄って行く。
「……和美先輩っ!」
それは、育休中の私の先輩。
新人時代の私の指導担当をしてくれた木下和美(きのしたかずみ)先輩だった。
「忙しいかな? ごめんねえ。少し落ち着いたから、挨拶に、って思って来たんだけど」
ドア口が一気に華やぐ。
その空気を受けて、何人かの男性も歩み寄って来る。
ワイワイと騒ぐ私達に、篠沢課長も笑顔で近付いて来た。
「おお~、木下さんに良く似て元気な赤ちゃんだな。……男の子?」
「はい。拓斗って言います。やっと首も据わって来たので、そろそろいいかなって思ったのに……ごめんなさい、騒がしいですね」
和美先輩は苦笑して赤ちゃんをあやしながら、思い出したように手にした紙袋を私に差し出した。
「萌、久しぶり。忙しいのに悪いけど、あとでこれ、みんなに配って」
「はい、ありがとうございます!」
ラスクが有名なお店の大きな紙袋を受け取って、私はニッコリ笑い掛けた。
お客さん相手の仕事ではない本部でも、なんとなくちょっと一服って空気が流れる時間。
こんにちは~と、明るい声がオフィスに響いた。それと同時に……。
「ふぎゃああっ!」
オフィスではそうそう聞かないけたたましい泣き声。
何事っ!?と、驚いて顔を上げると、周りの社員達も反応は私と同じで。
「あっ!」
私の他にも、数人の女性の先輩が立ち上がった。
そして、ドア口で小さな赤ちゃんを抱いて立っている女性に駆け寄って行く。
「……和美先輩っ!」
それは、育休中の私の先輩。
新人時代の私の指導担当をしてくれた木下和美(きのしたかずみ)先輩だった。
「忙しいかな? ごめんねえ。少し落ち着いたから、挨拶に、って思って来たんだけど」
ドア口が一気に華やぐ。
その空気を受けて、何人かの男性も歩み寄って来る。
ワイワイと騒ぐ私達に、篠沢課長も笑顔で近付いて来た。
「おお~、木下さんに良く似て元気な赤ちゃんだな。……男の子?」
「はい。拓斗って言います。やっと首も据わって来たので、そろそろいいかなって思ったのに……ごめんなさい、騒がしいですね」
和美先輩は苦笑して赤ちゃんをあやしながら、思い出したように手にした紙袋を私に差し出した。
「萌、久しぶり。忙しいのに悪いけど、あとでこれ、みんなに配って」
「はい、ありがとうございます!」
ラスクが有名なお店の大きな紙袋を受け取って、私はニッコリ笑い掛けた。