ウェディングロマンス~誓いのキスはふたりきりで~
その後四つお寺を回って、私はようやく吉のおみくじを引いた。
ここまで散々付き合ってくれた響さんも、ホッとしたような笑みを浮かべる。


「やれやれ。やっとか」


開いたおみくじに『吉』の文字を見つけて、私よりも響さんの方がホッと息をついた。


「それにしても、五つ回ってやっと吉って……」

「すみません。私本当に運がなくて……」


なんだか申し訳ない気分になって肩を竦めると、響さんはクスッと笑いながら私の手におみくじを手渡した。


「別にお前が謝ることない。って言うか、とりあえず引いてくれてホッとした」

「ありがとうございます。……ふふ。でも途中から響さんの方がムキになってましたね」


手元のおみくじ小さく畳んで、私はそれを財布に忍ばせた。
響さんが、当然だろ、と呟く。


「運試しだ、なんて連れ出したのに。運がないなんて結論じゃ、笑えない」

「そうですね。私も良かったです。響さんを安心させられたみたいで」


そう言って微笑み掛けると、響さんはキュッと唇を結んでそっぽを向いた。
そして、ボソッと呟く。


「……俺が安心させられてどうするんだよ」

「え?」

「だから、それは俺が……!」


一瞬感情を昂らせるように、響さんは吐き捨てるように言った。


その口調に、思わず目を閉じて肩を震わせた。
私の反応を見て、響さんがハッとしたように口を噤んだ。
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