ウェディングロマンス~誓いのキスはふたりきりで~
「……ごめん」


消え入ってしまいそうな小さな声でそう言って、響さんは私の前で俯くと、無造作に髪を掻き上げた。
その仕草で、自分を落ち着けたように見える。


「……俺さ、全然出来た人間じゃないし、萌から見ても頼れる男には程遠いと思うんだけど」


そう言って言葉を一度切った後、響さんはゆっくり私を見つめた。


「そ、そんなことないです」


なんだか私の方がムキになって、反射的にそう返していた。


「響さんは……私には勿体ない旦那様です」


そう答えると、響さんは何故だか自嘲めいた表情を浮かべて、どうだか、と呟いた。


「そう言ってくれるなら……一人で不安そうな難しい顔して欲しくない。
俺で良ければ聞くし。……俺に遠慮はしないで欲しいんだ」

「え……?」


響さんの言葉が、フワッと私の胸に降りてくる。
そして、とてもじんわりと、染み入って行くのを感じた。


ただバカみたいに見上げる私に、響さんはパンツのポケットに手を突っ込んで、肩を竦めた。


「この間も言ったけど、聞きたいことは俺に聞いて。萌が話したいことは話して欲しい。
……なんっつーか、最近萌の難しい顔しか見てない気がする」

「あ……」


響さんにそう言われて、私はグッと唇を噛んだ。
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