ウェディングロマンス~誓いのキスはふたりきりで~
響さんは一度抱え直すように、腕の位置を動かす。


「隙だらけなくせに、あの時も俺の腕の中で震えてた。今もこんな風に身体縮込めて……。
お前がそんなだから、こっちまで緊張して……それより先に踏み込めなくなる」


「……響さん……?」


何だか小さく掠れて行く声がとても聞き取り辛い。


もっとちゃんと聞きたい。
背後の響さんに首を捻って視線を向けると、一瞬、響さんの腕に力が籠った。


「……守りたい。俺はお前にそう約束したから」


トーンの低い、感情を抑えたような声が、しっかりと耳に届いた。
一瞬、キュンと胸が震えるのを感じる。


「……あ、ありがとうございます」


肩に回された腕に、そっと両手を掛けてそう呟いた。
微かに耳元に響さんの呼吸を感じる。


「私、十分守ってもらってます。……すごく幸せです」


そう言ってはにかんで微笑んで見せると、響さんは何も言わずに私の肩に額を預けた。


そんな近い距離にドキドキして……。


そして、それがジワジワした痛みに変わって行く。
< 161 / 224 >

この作品をシェア

pagetop