ウェディングロマンス~誓いのキスはふたりきりで~
開始時間までもう少し待機をお願いすると、須藤さんと山形さんはちょうど現在進行形で仕事の関わりがあるらしく、ちょっと、と断って廊下に出て行った。
続き間に残った響さんと中谷さんを気にしながら、私は女将さんに開始の連絡をした。
準備が整って、廊下で話していた二人に声を掛けた。
そしてそのまま続き間に向かう。
閉められた襖をノックしようとすると、中谷さんの声が聞こえて来た。
「……まさか、響が結婚するなんて思わなかった」
ちょっと憚るようにひそめた声に、私はビクッとして握った手をそのまま宙で止めた。
「……」
響さんは黙っている。
「私には、三十歳になったら、なんて酷いこと言ったのに」
「……そんな話、今頃ぶり返してどうするんだよ」
苛立つような響さんの声が聞こえた。
一瞬にして、声を掛けるタイミングを逃してしまう。
どうしよう……と思いながら、私は左手首の時計に目を落とした。
続き間に残った響さんと中谷さんを気にしながら、私は女将さんに開始の連絡をした。
準備が整って、廊下で話していた二人に声を掛けた。
そしてそのまま続き間に向かう。
閉められた襖をノックしようとすると、中谷さんの声が聞こえて来た。
「……まさか、響が結婚するなんて思わなかった」
ちょっと憚るようにひそめた声に、私はビクッとして握った手をそのまま宙で止めた。
「……」
響さんは黙っている。
「私には、三十歳になったら、なんて酷いこと言ったのに」
「……そんな話、今頃ぶり返してどうするんだよ」
苛立つような響さんの声が聞こえた。
一瞬にして、声を掛けるタイミングを逃してしまう。
どうしよう……と思いながら、私は左手首の時計に目を落とした。