ウェディングロマンス~誓いのキスはふたりきりで~
こうやって少しずつ響さんの心に近付いて行ければいい。


私と響さんは結婚したんだから。
これからずっと一緒に過ごして行くんだから。


慌てなくていい。
急がなくていい。


こんな私だけど、頑張って響さんのいい奥さんになる。
私を家族にしてくれた響さんの為にも。
全身全霊で、がむしゃらに。


器と一緒に二つの缶を持って、シンクに片付けた。


壁の時計を見上げると、時計は十一時半を指したところだった。


私も休もう。
明日からも仕事は続く。
新しい生活スタイルに慣れないうちは、いつもより気を張って疲れ易い。


テーブルの上のリモコンを使って、リビングの灯りを消す。


無駄な音の無いリビングに闇が落ちて、室内は一気に静寂に包まれた。


響さんが消えて行ったドアの隙間から零れるかすかな灯りを頼りに、私もリビングを抜けて寝室に向かった。


響さんが入って行った右側の寝室の隣。
左側の、私の寝室に。
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