ウェディングロマンス~誓いのキスはふたりきりで~
初めて響さんの想いを感じた。


恋とか愛とかそんなありふれた言葉じゃたとえられない。
大きな大きな優しさ。慈しみ、そして、全てを包み込んでくれる温かさ……。


一生守るって言葉に、響さんの想いがどれほど強く籠められていたか。


何も言えず呆然と見上げる私に、響さんは困ったように苦笑した。
そして、私の髪を片手でクシャッと撫でる。


「これでも苦労したんだ。寝室別にしたのだって、自制心保てる自信なかったせいだし。
結婚した嫁相手に恋愛仕掛けるなんて、俺にだって経験なくて。
……でも、あんな誤解されたら、もう悠長に待ってられない」


響さんは私を真っ直ぐ見つめたまま、頭に置いた手をゆっくり下に滑らせてくる。


額からこめかみに、そして、頬に。
その手の動きに、今までに感じたことのないゾクッとした刺激が背筋を貫く。
そんな自分にドキッとして、私の身体は反射的に強張った。


響さんは私の反応を見抜いている。
手を頬に置いたまま、指で耳をくすぐる。
ビクッと身体を震わせると、響さんは私を真っ直ぐ覗き込んで来た。


「……俺は、誓うよ。萌だけに」


はっきり告げられた言葉に、ドクン、と鼓動が鳴るのを意識した瞬間。


「……萌、愛してる」


飾らない真っ直ぐな言葉が、私の心を震わせた。


響さんが、綺麗な顎を傾ける。


至近距離まで近づいて、フッと伏せられた瞳。
あの時と同じように鼻先を掠める感触。


それをはっきり意識する間もなく……。


響さんが、私の唇に、キスをした。
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