ウェディングロマンス~誓いのキスはふたりきりで~
響さんが私だけにくれた誓いのキスは、私にこの上ない幸せをもたらしてくれた。


大切にされてる。愛されてる。
響さんの言葉からも態度からも、それはいつも素直に感じられる。


だけど……。


私は響さんに恋に落ちて、我儘になった。欲張りになった。


二人だけで一生の愛を誓い合ったあの日から、願う幸せは際限なく大きくなっていって、些細なことで不安が過るのをどうしても抑えられない。


いつも包み込むような温かさで私を愛してくれる響さん。
私は何よりも誰よりも響さんを信じてる。


無条件に向ける信頼に嘘はないのに、こんな気分になるのは……。


きっと、自分で思う以上に、私が響さんに恋してるせいだ。


「……不安、なんて、感じる必要ない」


ボソッとそう呟いて、私は自分の手元に視線を落とした。


お皿とスポンジを手にしたまま。
水を出しっ放しの状態で、私の手は完全に止まっていた。


またボーッとしていたことに気がついて、一度大きく首を横に振った。


余計なことは考えない。
こんなに幸せなのに浮かない顔してたら、響さんが変に思う。
そうして再び手を動かそうとした時。


ふわっと。
背中に温もりを感じた瞬間、伸びて来た腕にギュッと抱きしめられた。


「え……?」


突然の攻撃に驚いて、私は後ろを振り返る。


「さっきからおかしいなって思ってたけど。何、ボーッとしてるんだよ」


肩口から顔を覗き込みながら、響さんが耳元で呟いた。
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