ウェディングロマンス~誓いのキスはふたりきりで~
信じられない、と思いながら嬉しくて仕方なくて、私は俯いて膝の上でギュッと手を握り締めた。
そして、顔を上げる。
響さんに、ニコッと笑って見せた。


「ありがとうございます」


なんていうか、そう言ってもらえるだけで十分だった。
これ以上の幸せが、どこにあると言うんだろう。


「私、全然大丈夫です。何言われても気にしません。だから、響さんも私のことは気にしないで下さい」


必死の思いでそう言った私を、響さんは静かに見つめていた。


「響さんも……何かあったらちゃんと私に言って下さいね。私も響さんを守りたいです」


私の言葉に響さんは一瞬目を丸くして、何度か瞬いた。
そして、フッと苦笑する。


「俺が? 萌に守られるのか?」

「非力でも、私にだって出来ることはあります」

「……どうだか」


ちょっと皮肉な笑みを浮かべて、響さんは前を向いた。
青に変わった信号を見て、ゆっくりアクセルを踏み込む。


「でも、まあ……」


真っ直ぐ前を向いたまま、響さんが呟いた。


「意外と逞しくて、安心した」


目線が合わないまま言われた言葉。
私は響さんの横顔から、その感情を伝え知る。
そして、結婚して初めて、響さんを安心させることが出来たって実感する。


今そう感じられる自分に、満足していた。


だから、もっともっと強くなる。
響さんに守られるばかりの私じゃいけない。
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