ウェディングロマンス~誓いのキスはふたりきりで~
その日、私にしては珍しく二十一時過ぎまで残業した。
家に戻って来て、コンビニで買ったおにぎりを食べてシャワーを浴びて、少し息をついてからも、座談会のことを考えて過ごした。


どうしても、座談会の会場が決まらない。


そういうお店には疎いし、めぼしいお店はもう既に予約でいっぱいで、正直どう探していいのかもわからなくなっていた。


他のことはなんとか進んでいるのに、肝心な会場を決められないなんて……。


なんとなく音声が欲しくてテレビを点けながら、ノートパソコンをテーブルに置いてお店探しをした。


初めて私がセッティングする座談会だから、お店もちゃんと自分で探したい。
そこにこだわりはあったけど、これは過去のお店と被っても仕方ないかもしれない。


妥協ポイントを決めながらも、納得行かず。
私はただひたすら検索サイトを駆使しして、何百ともいえるお店をチェックした。


そのうち、目の焦点が合わなくなって来る。
視覚と、マウスをクリックする手の速度が微妙にずれ始める。


なんか疲れたな……と、意識したが最後。


急激に瞼が重くなって、頭がくうっと後ろに逸れて……。


後ろに仰け反るのを堪えたまま、私はパソコンのキーボードの上に突っ伏した。
そして、睡魔に抗えないまま、目を閉じた。
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