ウェディングロマンス~誓いのキスはふたりきりで~
戸惑って響さんを見つめると、響さんはグッとコーヒーを飲んで立ち上がった。


「言ったろ。目に焼き付いたって」

「ひっ……響さんっ……!?」

「御馳走様」


クスクス笑いながら、響さんは意地悪く私に背中を向ける。
思わず腰を浮かせてその背中に反論しようとしたけど、私は言葉を飲み込んで大人しく席に戻った。


こんな小さなやり取りが、なんだかとても嬉しい。
だから私も自分のコーヒーを飲んでから、意を決して立ち上がった。


「あの、響さんっ」


部屋のドアに手を掛けた響さんに、呼び掛ける。
ゆっくりと振り返ってくれるその瞳を見つめ返して……。


「……今日、一緒に行ってもいいですか?」


私の言葉を聞いて、響さんは何度か瞬いた。


でも直ぐにクスッと笑うと、


「いいよ。早く着替えろ」


そう言って、自分の部屋に戻って行った。


「はいっ」


カップを洗って、水切りカゴに置く。
急いで出勤支度を始めながら、なんだか心がウキウキするのを抑えられなかった。
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