ラブレッスン
キスをしたんだと気付くまで数秒かかった。







気付いた瞬間に…ここが道端で人通りもある道である事と


沢木さんの顔が瞬間的に浮かぶ。







「な…にするの?離してっ…」






顔を背けようとする私の頬に両手を添えてがっちりと離さない。







『…逃がさない。』







だって…







あなたには結婚を決めた人がいるんでしょ?











『由宇さん…逃げないで。』







ゆっくりとまた距離が無くなるほど近付く顔と顔。











さっきとはまるで違って…ためらいがちに触れてくる唇。








頬を掴む手の冷たさとは相反して熱いその唇に…

優しく何度も啄むような口づけに、思わず息を止めてしまう。











「……んっ…」









息苦しさから不意に開いた唇から侵入してきた舌の感触に。




体に感じた事がない刺激が走った。








いけないと理性が働いてたのに、こうしていたいという感情が沸き上がって…






私は









残っていた理性もどこかへ飛んで、いまある感情を受け入れた。





もっと一つになりたいとバカみたいに思う感情を知ってほしくて。








キツく結城歩の体にしがみついた。










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