ラブレッスン
『…ああ。今一緒にいるけど?』





チラリと私を見て電話の相手に話す言葉に血の気が引いた。







沢木さんからの電話だわ…






『今日じゃなきゃ駄目って訳じゃないだろ?結婚の報告なんて親くらいで十分だって。

………由宇さん!ちょっと待ってっ!!』











捕まれた腕を思いきり払って変わる寸前の横断歩道を駆け抜けた。











変わらない。









好きだと言ったって。








抱き締められてキスをされたって。











結城歩と沢木さんの結婚がなくなる訳じゃない。








わかってたのに止められなくて。









だけど








今こんなにも苦しい。







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