短編集
電車が動き出した。

車内からは安堵の声が聞こえる。

電車は間もなく駅に到着する。


私は、読み掛けの本のページに指を入れたまま、しなった栞をかばんのポケット部分にそっと入れて、それに代わるものがないか中身をガサゴソと探した。

車内に、緊急停車の詫びと、駅に到着したことを伝えるアナウンスが響く。


そして、ゆっくりと電車が停車した。




『あの…。今日は本当にすみませんでした。
もしよかったら…コレ…今日の栞代わりにしてください。
では、お先に失礼します。』
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