アイザワさんとアイザワさん
ぼんやりとした意識の中で、鞠枝さんの声が聞こえた。
「……まぁ、『身内』としていろいろと言いたいことはありますけど……。」
「今日は家で預かりますね。少し休ませてあげたいですし。何か、具合悪そうなんで。」
誰かと……話してる?
ぼやけた頭ではそれ以上は考えられずに、私はまたゆっくりと意識を手放した。
***
「初花ちゃん、起きられる?温かいものでも飲もう、ね?」
だいぶ眠ったと思っていたけど、まだ一時間ほどしか経っていなかった。
それでもシクシクとした胃の痛みはだいぶ良くなっていた。
「カフェイン摂れないから、今家にこんなのしかないのよね。ミルクでいいかな?」
鞠枝さんがそう言ってマグカップを差し出してくれた。ホットミルクを口にすると、心も温まっていくような気がした。
「初花ちゃん。さっき私の携帯に相澤さんから連絡来てたよ。茜さんから番号聞いたみたい。初花ちゃんは……電源切ってたでしょ?」
「すみません……今は……いろんなことを考えたくなくて……」
さっき聞こえた会話は相澤との電話だったのか……鞠枝さんや茜さんにまで迷惑をかけたことを申し訳なく思っていると、鞠枝さんがぐっと眉間に皺を寄せて、ちょっとだけ険しい表情になった。