アイザワさんとアイザワさん
「結婚したけど、お互いのことしか見えなくなって大事な仕事をしなくなったから、天の川を挟んで一年に一回しか会えないようにされたんですよ。」
と相澤が丁寧に説明してくれた。……夫婦だったんだ。知らなかったなー。
しかし、私が呑気に感心していられたのも、そこまでだった。
「へぇー。『やっちゃいけないこと』をしたから、引き離されちゃったんですねぇ。」
のんびりした口調で言った唯ちゃんの一言に、私の心臓はわしづかみにされたように、ギュッと痛んだ。
『やっちゃいけないことをした』
『引き離された』
頭の中を唯ちゃんが今言った言葉が駆け巡った。
心臓がバクバクと脈打つ。どんどん鼓動が早くなる。だんだん息苦しくなってきて、必死に息を吸ったけどちっとも楽にならなかった。
あ……目の前が暗くなってきた……
ダメだ……
そう思った瞬間、目の前で何かが『パチン!』と弾ける音がした。
びっくりして顔を上げると、鞠枝さんが目の前で手を合わせていた。どうやら、手を叩いて鳴らした音だったらしい。
「初花ちゃんらしくないわねぇ。もう酔っちゃったの?私がいなくなって寂しいからって。可愛い子ね。」
鞠枝さんがおどけたようにそう言うと、茜さんと唯ちゃんが吹き出した。