アイザワさんとアイザワさん
「初花さんはどうなんですか?気になる人もいないんですか?」
ぎゃっ。順番が回ってきた。
「『仕事が恋人ー。』なんてつまんない話は無しよ。」茜さんがやんわりと退路を塞ぐ。
「初花ちゃんはまだお子ちゃまだから、イケメンを見てれば満足なんだもんねぇー。」
…また鞠枝さんに助けられたような気がする。
私は鞠枝さんのナイスアシストを必死に繋げた。
「そ、そうですよ。今は心の恋人の『イケメン』がいれば充分です!」
「変わってんな、お前。アイドルとか二次元にキャーキャー言ってるヤツと何が違うんだ?」
と眉を潜めながら言ったのは相澤だ。
「満たされますよ。毎日頑張ろうって思えます。」
けして手の届かない存在ではない。だけど安易にも手を出せない。この萌え、分かんないかなー!!
そう熱く言うと、その場の全員が理解不能、という表情になった。
私の萌えは伝わりにくいらしい。
「何だよ。結局一人で興奮して、消化してるだけだろ?ばかばかしい。一人でヤってんのと変わんねぇじゃねぇか。」
相澤の露骨な一言に、唯ちゃんが固まった。
初恋もまだの子には刺激が強すぎるってば!
私も、自分では純粋だと思っていた気持ちをこんな風に馬鹿にされて、面白くない気持ちでいっぱいだった。