アイザワさんとアイザワさん

「そろそろお開きの時間だけど……って、あれ?どうした?樹?」

さらに間の悪いことにオーナーが登場して……

私の悪事は暴かれてしまった。


「あー、それはまずいねぇ。こいつ、酒一滴も飲めないんだよ。」


……そんな人間いるの?!人生半分以上損してるでしょ!

そう思いつつ、目の前の男に目をやる。
変わらずぐったりとテーブルに伏せている。
首まで真っ赤に染まっていた。

……嘘でしょーー?!


「しょうがないなぁ。樹、お前ここで横になってちょっと休め。仕事終わったら事務所まで連れてくから。」

「オーナーは仕事何時に終わるんですか?」
と鞠枝さんが聞く。

「今日は……今日中には終わらないかな。」


時間はまだ22時を回ったばかりだ。最低でも二時間以上はここで放置、ってことになる。そう考えたらさすがに申し訳なくなった。


「わ、私事務所まで連れて行きます。」

さすがに歩けないほど酔ってはいないはず。
ここで寝るよりは事務所で横になっていたほうがマシだろうし。


「それは……正直助かるけど、大丈夫なの?」

「はい。……ってか、ほんとにすみません。」


体力には自信がある。相澤くらいの体格なら大丈夫だろう。
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