理屈抜きの恋
『別にさ、いいんだよ。七光りでもさ。ただ、いきなり副社長はないよ。実力だってあるかどうか分かりゃしないのにさ。俺たちの上司になるんだよ?』
『どこかで経験を積まれているのではないのですか?』
『さあ?そういう詳しい事情は分からんね。でもどうせ何も出来ないお坊ちゃんだろ。まぁ、その方がやりやすいけど。おっと、そこはちょっとたんま!』
『たんまは無しです。でも、会長のお孫さんがエースの方が私は良いと思いますよ。鈴木部長が輝ける良いチャンスだと思いますし。王手です。』
『王手?!あぁ!!また負けたー!くぅぅ。』
試合終了とともに鈴木部長との会話は中断され、次の対戦の予定を組む話にすり替わった。
そして日程(空いている昼休み)が決まったところで、鈴木部長はタバコを吸いに行き、私は駒を片付けていた。
そこに会長が入って来た。
『先程の会話はどういう意味だい?』
『本宮会長!?』
突然の会長の出現に言葉を失っていると、「鈴木部長が輝けるチャンス」の意味を知りたいと低い声で言った。
『す、すみません。気分を害しましたよね。』