理屈抜きの恋
そして一人部屋の中にポイと押し込まれ、扉が閉ざされた。

扉に耳を当てて外の様子をうかがうけど聞こえない。

一体、何が起きたの?

混乱するまま、しばらく扉の前で立ち隙んでいると、いきなり扉が開き、副社長だけが入って来た。

「ぅわ。なぜそこにいる?!」

「す、すみません。」

また怒られてしまう。
急いで席に着こうとすると、さっきのように腕を引かれて、正面から向き合う姿勢に直された。
そして副社長は頭を下げ、「ごめん。」と一言謝った。

「え?どうして謝るんですか?悪いのは私の方なのに。」

「君がうわの空なのは鵠沼が関係していると思ったんだ。それにイライラしてあんな風に君を追い出してしまった。」

「?」

話しの流れがよく分からない。
続きがあるのかと副社長の顔を見ていると、顔を赤くした副社長は私から視線を逸らした。

「でも、違った。鵠沼から聞いたよ。」

「えっと、何を、ですか?」

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