理屈抜きの恋
「会社宛てに電話を掛けてきたら俺より君が先に電話を取るだろ?だからここ最近は俺が電話を取るようにしていた。それでも俺が全てを取れるわけではない。だから今日、鵠沼が来ることを知っていて君が浮ついているのだと勘違いしてしまったんだ。」
電話を積極的に取ってくれるようになったのはそれが理由だったんだ。
でも、怒られた理由こそ違えど、仕事に支障をきたした事実は変わらない。
副社長の顔を見上げ、決意を固める。
「本宮副社長。」
「ん?」
「今日、私の集中力がなかった理由は本宮副社長が原因です。」
「俺?」
「私、本宮副社長のことが好きです。気になって仕事に身が入りませんでした。本当に申し訳ありません。でも、これからはきちんと割り切って仕事をしま…」
その瞬間、ギュッと抱きしめられた。
あまりの強さに息が出来なくなるほどに。
「く、苦し…」
「ごめん。嬉しくて。」
「え?」