理屈抜きの恋
同期でしか知りえないはずの同期会の日程と場所を知っているとか、最上くんに誰々が告白したとか、家の場所を知っているとか、高校時代の写真をゲットしたとか。
でも、行き過ぎた愛でもそれは愛の形に他ならない。
ましてそれを最上くんが受け入れたのだから。

「最上くん、すごく愛されているんだろうね。」

「う~ん。それがね、そうでもないの。話したい問題はそこなのよ。」

「問題?」

「最上くん、先輩と付き合い始めてから営業成績はガタ落ちで、集中力も無くなっているんだって。気になって昨日、細井さんと一緒に飲みに誘ったんだけど、ボウっとしていてどうにもならなくて。ただ撫子の名前が出た時だけものすごく反応したの。」

「私の名前で?」

「そう。ねえ、最上くんから何か連絡来ていない?相談されている、とかない?」

最上くんに連絡を取ったのは告白の返事を催促された時だ。
返事はメールになってしまったけど、『分かった』って一言だけ返事が来た。
それ以降はお互いに連絡していないし、顔も合わせていない。
でも、私の名前に反応するということに引っかかる。

「私の…せい?」

その一言にハッとした真美ちゃんはずっと手に持っていたマムシドリンクを副社長の机の上に戻し、私の元へと駆けて来た。
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