理屈抜きの恋
「はい。」
副社長に手を貸して貰いながらゆっくり立ち上がる。
そしてソファに腰掛けると、副社長も隣に腰を下ろした。
「すみません。」
「具合が悪いのか?」
「いえ。本当に大丈夫です。落ち着きましたから。」
「君の大丈夫は当てにならない。どうしたのか言えるか?」
プライベートな内容は副社長に話すべきことではないような気がして黙って俯いていると、ふわりと優しい香りがして、そして優しく抱き締められた。
急な事に驚くけど、不思議と安らぐ副社長の身体にそのまま身を委ねる。
「俺は君が苦しんでいる姿を見ると胸が張り裂けそうになる。」
「え?」
「具合が悪い時は介抱してあげたいんだ。ご両親には遠く及ばないかもしれないけど、変われるものなら変わってやりたい。俺じゃ頼りにならないか?」
「そんなことないです。こうしてもらえるとすごく落ち着きます。」