理屈抜きの恋
「え?何ですか?」

「冗談だよ。」

「冗談?」

「そ。いいだろ?なんか新婚みたいで。」

「新婚っ!?」

その言葉に驚き、目を丸くしていると、またチュッとキスをされた。

「赤くなっちゃって。かわいっ。」

「その余裕、ずるいです!」

「ずるいのは君の方。そんな可愛い顔されたら我慢出来ない。」

言い終えると同時に勢いよく口が塞がれた。
そして呼吸するために開いた口に温かいものが入ってくる。

「ん…?!」

「大丈夫。優しくするから。」

初めての大人のキス。
それはやけに艶めかしく、恥ずかしい。
でも不思議と嫌じゃなくて、一生懸命付いていこうとすると、副社長は私の背後にあるまな板を避けてから私の身体を持ち上げ、そこに座らせた。

「ん…あ!やだ、ちょっと待って下さいっ!」

キスをしながら胸元のボタンを開けようとした副社長の手を取る。

「何?」

「ここキッチンですよ?」

「そうだね。」

「キッチンは料理を作る場所です。」

「知っている。でもここでおあずけは無理。」
< 149 / 213 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop