理屈抜きの恋
車の手配や贈答品の手配、社内外の文書作成、情報収集、資料作成…
挙げたらキリがないけど、副社長でなくても良い業務のほとんどを今は私に任せて貰っている。
もちろん確認はして貰うけど、任してくれているという状況は素直に嬉しい。
今の最後の言葉なんて最高の褒め言葉だ。

マスクをしていて良かった。
こんな顔、見られたらきっとからかわれたと思う。

その日は一日中、副社長の前ではマスクは外せなかった。


「副社長、車の用意が出来ました。パーティー会場へ向かいます。」

副社長が電話を終えたのを確認し、そう伝えるとスーツの上着を手渡し、私と並んで部屋を出る。

「まだ予定開始時刻まで時間あるよな?」

時間に余裕を持って予定を組んでいるから時間はあるけど、それほどゆっくり出来るような余裕はない。

手元の時計で逆算してみてもあと30分後には確実に出たい。

「何か急ぎの用でも?」

「ちょっと寄りたいところがあるんだ。」

「道沿いですか?」

会場と反対方向だとしたら、あまり時間はない。
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