囚われロマンス~ツンデレ同期は一途な愛を隠せない~
「おうし座は、恋に慎重で消極的なんですよ。あたってます?」
……あたってはいない。
と、代わりに断言したくなった私のみっつ隣で、及川は「あー、そうかも」とははっと笑う。
彼氏のいる女の子を狙ってはおとして。
しかもおちると興味なくなって別れるなんてゲームを繰り返していた及川が〝恋に慎重で消極的〟だとはとてもじゃないけど思えない。
まぁ、ここで真面目に答える必要なんてないし、とは思うもののなんだか納得できずにいると、花岡さんが続ける。
「おうし座は、一緒にいればいるほど情が深くなっていって、誠実に愛せるらしいから安心してください。
深い愛情を持てるからこそ、相手にもそれを求めて、そのうちにめきめき独占欲表すんですって。
私、男の人が彼女に所有物感覚持つの、堪らなく好きなんですー」
そう、にっこりとうっとりとしながら言う花岡さんに、及川は乾いた笑みをもらし、私はただ眺めて……そして、大崎くんは不思議そうに首を傾げる。
「所有物感覚ってなんですか?」
「えっと……恋人は自分のモノって意識が強いっていうか、簡単に言えば独占欲が強いだとかそういう事じゃない?」
「はー……独占欲ですかー」
そう呟いた大崎くんが、難しい顔をして言う。
「俺は、みんな仲良くできたらそれでいいと思っちゃうけど……。普通、女の人って独占欲とか持たれた方が嬉しいですか? 深月さんも?」
「んー……好きな人にだったらそうかもね」
曖昧な笑みを向けたその先で……及川が私を見ていることに気づく。
何か意味が込められているように感じる瞳に耐えきれなくなって、目を逸らした。