囚われロマンス~ツンデレ同期は一途な愛を隠せない~


そう答えた私を、大崎くんが横から「深月さん、カッコいいっす!」とかテンション上げて言ったりするから、呆れて横を見ると……。

その先に、食堂に入ってきた及川の姿があって少し驚く。

……おそらく、今の話を聞いてたんだろう。

じっと私を見る瞳から目を逸らして、お弁当に戻す。
私よりも数秒遅れて及川に気づいた大崎くんが「あ、お疲れ様です!」と、お茶を入れにいくために席を立つ。

「お疲れ」と答えた及川は、大崎くんのふたつ隣の椅子を引いて座った。

話しかけないで……なんて言ったのは私の方だけど。
そんなルール作っちゃうと自分も気まずくて、もっと別の言葉にすればよかったなと少し後悔した。

やっぱり同じ支店なのに口聞かないとか、無理があったなぁ……。
そんな風に思う割には、及川に気持ちを告げた事への感想みたいなものは何一つないから不思議だった。

好きだって言ったハズなのに。

やっと言えてスッキリしただとか、振られちゃったなぁだとか、迷惑かけちゃったなぁとか。
及川がどう思ったかだとかさえ、何も思わないのはなんでだろうとも思うけど……。

でも、返事なんて分かり切っていた告白だったのだから、そうもなるかと考え直す。

私の告白はもう、五ヶ月前、好きって言葉を遮られた時に終わっていたのだから。

何座がどうだとテレビの中から盛り上がる声が聞こえてくる中、花岡さんが及川に「及川さんはおうし座ですよね」と話しかける。



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