囚われロマンス~ツンデレ同期は一途な愛を隠せない~
果たして応援って本当にいるんだろうか……と思いながら、客席として設けられている二階部分を見渡すと、それなりの人数が座っていて驚く。
失礼ながらよっぽど暇なのかなーと思いながら試合に視線を戻す。
ちょうど、花岡さんが一セットとられたところだった。
服装は自由なのか、テニスのスコートみたいなのを履いていて、上はピタっとしたTシャツを着ていた。
こうして見ると、花岡さんってスタイルいいんだなぁと思う。
胸もあるし、でも細いし……あれなら自分に自信があっても当然かもしれない。
そんな風に思い眺めていた先で、花岡さんがこちらを見上げる。
って言っても、私じゃなくて及川だけを見ている感じだけど、それももう今更気にもならなかった。
清々するくらいの身のこなしよう……というか顔の変えようは、本当もうイライラするというよりは、すごいなぁと圧巻するのみだ。
「ほら、手振ってるよ」
隣でスマホをいじる及川に言うと、及川は「んー? あー……」と少し面倒くさそうにしながらも、座っている椅子から少し身を乗り出して、笑顔を作って手を振り返す。
そして、花岡さんにそうしながら「前から思ってたんだけど」と私に言う。
「深月が花岡さんに妬いたりしないのって、なんで?」
手を振るのを止めて、ドカッと背もたれに寄りかかった及川に、言われてみればそうだなぁと考える。