囚われロマンス~ツンデレ同期は一途な愛を隠せない~
閉店して、勘定も無事合ったあと。一通りの締めの作業がおわったら、店舗内の掃除をするルールがある。
ルールというか、もう掃除まで混みで締めの作業って感じに近い。
内容としては、食堂でお昼に出た洗い物をしたり、給湯室で応接で使った食器類の洗い物をしたり。
喫煙者が給湯室前で使っている灰皿の交換や、ロビーの灰皿交換、翌日がゴミの日だったりすると店舗内のゴミ箱のゴミを集めたりと細々とした雑務が多い。
大崎くんも、締めの作業は一通りひとりでできるようになったから、週に二日は掃除を私がして、締めは大崎くんに任せるようになったのは最近の事だ。
「ゴミ出しの前の日は必ず掃除に回ってくれるんです。ゴミ重たいからって。なんていうか体育会系気質がまだ残ってる感じですかね」
「へー。優しいじゃない。花岡さんじゃないけど、大崎くん悪くはないと思うけどなー」
ニヤニヤしながら言う手塚先輩に「勘弁してください」と苦笑いで返す。
「大崎くんはいい子ですけど、そういう対象には見れませんって」
「えー、そう? 大崎くん、案外ジェントルマンだし大事にしてくれそうな感じするのに。
その前に深月の好きなタイプってどんななの?」
改めてタイプって聞かれても……。
及川を表す言葉は、なぜか、というか当然というか、言葉にすると全部が短所だしな……と、眉を寄せて考えていた時。
「深月。これ、明日の朝一処理ね」
及川が定期預金の入金伝票を目の前に差し出した。