囚われロマンス~ツンデレ同期は一途な愛を隠せない~


「でも、なんでそういう波風立てるような事、わざわざするの」

どういう意味か分からないのか。
キョトンとする及川から目を逸らす。

そして「及川、面倒くさいってなると、今までだってすぐ別れてきたでしょ。そういうの、知ってるし」と続けた。

例えば。及川が声をかけてこっちになびいてきた女の子がいて。
でも、その子の彼氏が別れたくないって食い下がってるってなれば、面倒くさいしって理由ですぐに女の子自体を切ったり。

友達に紹介したいだとか、そういう事さえ面倒くさがって、だったら別れようってなってたのだって知ってるし、旅行に誘われたのを面倒くさがってっていうのも知ってる。

もっとも、及川にとっては振り向かせるまでがゲームだったのだから、そんなのは別れる口実なだけなのかもしれない。
でも、元からそういう、付き合いから生じる面倒くさい事を嫌っているのも事実だ。

女の子をゲームの対象ってしちゃうくらいなんだから、及川は案外薄情なんだろう。
興味がなかったりすればすぐにバッサリ切れちゃうのがいい例だ。

一気に冷めるとか、そういう表現が合うような別れ方を何度もしてきたのだって知ってる。

なのに。
なんで大崎くんをからかって、面倒くさい事を起こそうとしているのかが分からなかった。

分からなかったし、もしかしたらそうやって私との別れの口実を作ってるのかな……とか。
そんな不安があったりもして。

だけど、それをそのまま言葉にしたら及川を傷つけちゃいそうで、それも嫌だったから黙っていると。
勘のいい及川はそんな私の気持ちを見越したみたいに、ツラそうな顔で微笑む。




< 154 / 194 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop