囚われロマンス~ツンデレ同期は一途な愛を隠せない~
料理を食べながら視線を向ける先で、大崎くんは及川のところで他の営業も交え何やら話しているみたいだった。
営業が楽しそうに話していて、それに対して及川が苦笑いを浮かべているところを見ると、及川の黒歴史だとかそんなものを大崎くんにバラされているのかもしれない。
花岡さんのところには営業が何人か集まり、花岡さんも楽しそうに笑っていて安心する。
別に花岡さんのご機嫌伺いをする必要なんてないのだけど、花岡さんが機嫌が悪いとこっちまで響いてくることが多いから。
どうしても気になってしまうのはもう随分前からだ。
それこそ、新入職員として前橋支店に配属されてすぐの頃からかもしれない。
「こんな泊りでの飲み会なんて、間違いが起こるだけなんだからやめればいいのにね」
そうもらした手塚先輩に、「間違い?」と聞き返すと「知らないの?」と眉を寄せられる。
「お酒も入ってるし、ちょうど部屋も布団もあるしで、そういう関係になっちゃう事があったりするのよね。
女側が軽いと特に」
「え……っ、それって、しちゃうって事ですか? 同じ支店内の人と?」
「普通に考えたらありえないけどねー。でも、実際にはあるみたい。
まぁ、そこから付き合いが始まって結婚したとかいうカップルもいるみたいだからなんとも言えないけど」
「それにしたって……突発的にそんな事になっちゃったら、後々仕事で気まずそうですよね」
手塚先輩の言い方だと、好きでもないのにその時の流れで……とかそういう事もありそうだし。
もう会わない人とならまだしも、これからもずっと同じ支店内で仕事するのにそんな事……と思い、苦笑いを浮かべていると、手塚先輩が耳打ちする。