囚われロマンス~ツンデレ同期は一途な愛を隠せない~


「花岡さんもそういう噂が一時期あったのよ。花岡さん、こういう泊まりの時、夜抜け出す事多いから」
「……そういえば、去年も夜遅くに抜けてましたよね」

こうして泊まる場合、たいてい、団体部屋を予約する。
女性職員はひとつの大部屋を、女性よりも人数の多い男性職員はふたつの大部屋と、あと、役職用に個室を何部屋かを。

同じ部屋で寝ていれば、誰かが起きただとか部屋を出て行っただとかは気づく人は気づく。

私もこういった場所であまり熟睡できるタイプじゃないから、花岡さんが抜け出していくのは気付いてたけれど……。

「温泉入りに行っただけだと思ってたんですけど……違うんですか?」
「んー、営業のひとりから聞いた話だと、どうやら須田さんとそういう事しちゃう関係らしいけど。
まぁ、分かんないけどね。ただ、役職用にって個室とるけど、結局みんな酔いつぶれて一部屋で雑魚寝してるじゃない。
そうすると個室が空いてるわけだし、そこからふたりが一緒に出てきたのを営業の何人かが見たらしくて」
「……大胆ですね」

ちょっとすぐには信じられないほどの話にそれだけ言ってから、「付き合ってるわけじゃないんですよね?」と聞くと頷かれる。

「だって須田さん彼女いるでしょ。それに、花岡さんだってもし須田さんと付き合ってるなら、さすがにあんなに分かりやすく及川さん狙わないだろうし。
花岡さんも須田さんも、ちょっとした好奇心で背徳感楽しんでるだけなんじゃない?」
「ちょっと……幻滅しました」

平気でそんな事できちゃうなんて、ともらすと、手塚先輩は苦笑いをもらす。


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