囚われロマンス~ツンデレ同期は一途な愛を隠せない~


「遊び感覚で女の子に手を出してきたのは事実だし、俺に今更価値観がどうとか言う権利もないですけど……花岡さんと俺とじゃ合わないと思いますけどね」

そうハッキリと言った及川が続ける。

「そもそも俺、遊んでた時も俺に最初から好意のある子相手にした事ないし。
花岡さんみたいに、ただ刺激のあるセックスしたいからしてたわけじゃないから、そこが目的ってわけじゃなかったんですよ」

及川も、花岡さんのそういう行為を知っていたのか、ニヤリとした横顔が見える。
そんな笑みを向けられた花岡さんは、何も言えないのか、カッと顔を赤くしたまま唇をかみしめていた。

「花岡さん、俺の事とか周りに聞き回ったりしてたらしいですけど……だったら分かりませんかね。
俺が深月と付き合い出したって時点でもう、他の女に勝ち目なんかないって」
「……どういう意味?」
「確かに遊んで傷つけた子はいるけど、俺、深月を傷つけた事はないんですよ。
ただの同期だった頃から、深月は特別だったから」

その言葉に、昨日ハッキリとしたばかりの気持ちが強さを増す。
私が昨日辿り着いた答えが及川の中にきちんとあるのを確認して……なんだか嬉しくなった。

「あー、まぁ、想うあまり暴走して無理やりキスして傷つけた事はありますけど」と続いた言葉に手塚先輩がこっちをチラッと見るから、そんな気持ちに浸ってもいられなくなってしまったけれど。

へらっと笑った及川に、それまでぐっと黙っていた花岡さんは「及川くんが例えそうでも……深月さんはもう、嫌だって言ってたし……」と、勢いをなくした声で言っていたものの。



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