囚われロマンス~ツンデレ同期は一途な愛を隠せない~
「まぁ、俺がしてきた事ずっと隣で見てたんだから、すぐには信じてもらえるなんて思ってませんし。不信感から離れたいとか思うかもですけど……でも、俺は離すつもりもないんで、花岡さんの心配は不要です」
花岡さんの言葉を遮るようにして及川が言う。
そして、今までとは違う、冷たい色を瞳に浮かべてから。
「だから、あいつにこれ以上何かしたら許しませんから」
花岡さんにそう言い笑みを浮かべた。
「異動先でもそれなりに仲良くやってくださいね。お疲れ様でした」
立ち上がった及川が迷いもせずにこちらに向かって歩いてくるものだから、手塚先輩とふたりで逃げ場をなくしてワタワタとしていたけれど。
五秒もしないうちに「あ」と声をもらした及川に見つかってしまい……。
「あ、えっと、そうだ及川、ここ何時に出るのか聞きたくて探してたんだけど……」
「私は、支店長たちがゴルフだって言うから、行きは支店長の車に乗ってきた花岡さんに、帰りは大崎くんの車に乗るようにって伝えに。今。今きたばっかり」
言い訳みたいにもごもごして言った私の隣で手塚先輩が言う。
てっきり、盗み聞きのためだとばかり思っていただけに、きちんと理由があったんだと驚き「あ、そうだったんですか?」と思わず反応すると。
肘打ちが横っ腹にズドッと入った。
「私、花岡さんに伝えて、そしたらもう適当にここ出るから。ついでに須田さんも上手い事言って乗っけてくわ」
「え、なんで……」
須田さんは、行き、及川の車に乗ってきたのにと驚くと。
「いいもの見せてもらったから、そのお礼」
そう笑った手塚先輩が、及川に視線を移す。