囚われロマンス~ツンデレ同期は一途な愛を隠せない~
これは一体なんのお説教なのか。
疑問は湧きながらも、〝正義〟って単語を強調しながら言ったのが正解だったのか、大崎くんは私の言葉の中に何かを見出したみたいでパァアっと表情を明るくする。
「カッコいいっす! 俺もそうなりたい!」
「……ん? ……ああ、そう? じゃあ、ちょっと理不尽な事言われても、否定はしないで聞き流せる?」
「はいっ」
「じゃあ、もう四時回ったし締めの作業しないとだから戻って、とりあえず溜まってる伝票の精査だけ済ませてくれる?」
「はい!」と大きな返事をした大崎くんが店舗エリアに戻って行くのを眺めて、はぁっとため息を落とした。
元気がいいのはいい事だし、仕事に対していい加減なわけでも不真面目なわけでもない。
上下関係だって、長年野球部だったせいかきちんとしているし、歓迎会の時だって立場を弁えて職員に挨拶しに回っていた。
いい子はいい子だ。すごく、きちんとしている。
ただ……なんていうか、一直線が過ぎるだけで。
私も真面目な方だけど……新入社員だった時あんなだったっけな。
そんな事を思って遠い記憶を辿っていた時。
「お疲れー」
横から声をかけられてびくっと肩が揺れた。
見れば、外回りから帰ってきた及川が、営業カバン片手にドアを閉めたところで……。