囚われロマンス~ツンデレ同期は一途な愛を隠せない~



うちの支店は、24人の職員で成り立っている。

窓口二人を含む預金課には、私や大崎くんを含めた九人。融資課には五人。
営業が八人。あと、次長と支店長だ。

仕事以外で話す機会は日常の中ではそれほど多くない。

仕事中、手が空いた時。作業しながら隣同士で少し話したり、給湯室で洗い物なんかをしていると、一服しにきた男性職員と少し話したりはする。
でも、それ以外ってなるとお昼に食堂や更衣室で話すくらいだ。

四半期に一度、歓送迎会の意味を含んだ飲み会があったり、その延長で取引先の旅館に一泊したりなんていう事はあるけれど、特に個人的に仲がよくなって出かける……だとか、そんなのは同期でもなければ稀だと思う。

私も、大崎くんのコーチャーを押し付けてきた手塚先輩とはたまにご飯に行ったりするけれど、それくらいの仲だ。

あくまでも仕事仲間だし、特に仲がいい人もいなければ、そこまで険悪な人もいない……というのが普通だろうとは思うけれど。
それでも気の合わない人というのはいるもので。

交代でとる、お昼休み。
早番で上がらせてもらって、大崎くんと一緒に食堂のドアを開けると、私たちに気付いた花岡さんがわずかに眉を寄せた。
そんな姿にうわー……と内心思いながらも「お疲れ様です」と挨拶だけして中に入る。

長机がコの字に並ぶ食堂で、なるべく花岡さんから離れて座ると、大崎くんが私の左隣の椅子を引いた。

花岡さんと、私と大崎くんが長机と空間を挟んで向い合せの形になる。
花岡さんはもうお昼を済ませた後だったみたいで、コンビニの袋にゴミを入れてキュッと結びながらこちらを見た。




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