囚われロマンス~ツンデレ同期は一途な愛を隠せない~


「大崎くん。さっきの電話、融資に繋ぐ前にもう少し聞き出してくれないと困るんだけど。
せめて、何のローンに対しての相談かくらいは聞いてね。
あと、その顧客の融資の取引詳細を打ち出して渡してくれるぐらいしてもいいんじゃない?」

さっきの電話……と言われて、大崎くんがお昼に入る前に受けていた電話を思い出す。

元気よく出た大崎くんは、きちんと自分の名前も言っていたし、相手の名前も聞き出してその上で融資に繋いだのだから、別に問題はないようにも思える。

ローンの種類別に担当が変わるとか言うならまだしも、うちはそこまで区切ってないから、花岡さんだって一通りの融資案件は持てるハズだ。

だから、何のローンだろうが電話を繋いでも問題ないハズだし、顧客の取引詳細の打ち出しだって、花岡さんがすればいい事。
というか、融資の人に顧客の取引詳細取るように言われるのなんて二年ちょい働いていて初めてだ。

「あっ、そうなんすね! すみません!」と素直に聞き入れようとする大崎くんをチラっと見てから、花岡さんに視線を移した。

花岡さんは融資課の人で、入社時期は私よりも二年先輩にあたる。

多分、規則ぎりぎりなんじゃないかなってくらいの明るい茶色の髪を、いつも右耳のあたりでひとつに結んでいるのだけど。
その髪の香りなのか、香水なのか、いつ何時も、匂いがきつくてすれ違うとウッとくる。

ギャルって言ったら語弊があるけれど……社会人をしているギャルっていう言い方は間違ってはいないと思う。
メイクや指先、私服。とにかく派手な感じだ。

メイクのせいなのか、私が気に入らないのか。
どちらが原因かわからない、きつい目元を見ながら口を開く。

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