囚われロマンス~ツンデレ同期は一途な愛を隠せない~


「何のローンに対しての電話なのかは、これから聞くようにします。
でも、打ち出しは……預金課でとるべきですか? 取引詳細の打ち出しはとれても、ローン関係の打ち出しは預金課には必要ないのでオペコード分からないんですけど」

オペコードっていうのは、端末に打ち込む数字の事で、その数字によって端末画面に呼び出される書式が変わってくる。

例えば、顧客の取引詳細が知りたい時には「55-105」だとか、顧客の家族を含む取引詳細が知りたい時には「65-305」とか。

新しい通帳を作る時にも、定期預金を解約するときにも、それぞれのオペコードを入力してその画面を呼び出す。

そのコードは、よく使うモノなら暗記しているし、知らない処理を頼まれたとしても、調べればオペコードは分かるけれど。
それを、預金には関係ない融資の分まで強制されるのはなんだか違う気がする。

だから「コード暗記してる花岡さんが打ち出しちゃった方が多分早いですよ」と、一応笑顔で言ってはみたけれど。
予想通りお気に召さなかったらしく、ギン、ときつい眼差しを向けられた。

「そもそも、コーチャーがしっかりしてないから、融資課にまで飛び火してきてるって話なんだけど。
三年目でコーチャーとか、出来る人ももちろんいるんだろうけど……深月さんにはまだ荷が重かったんじゃない?」

最後はクスって笑いながら言われた言葉に、隣の大崎くんが反応しそうだったから、机の下で大崎くんのYシャツを掴んで軽く引っ張る。
腰のあたりを引っ張られた大崎くんは、私が掴んだ部分を見て、意図を分かってくれたようだった。

納得してはいない表情を浮かべながらも、ぐっと耐えてくれてホッとする。


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