囚われロマンス~ツンデレ同期は一途な愛を隠せない~


「ごめん。大崎くん。分かんないとことかあった?」

だから、大崎くんの手元を見ながら聞いたけれど、大崎くんは「あ、いえ!」と言ってそのまま仕事に戻ってしまう。
いえって言われても、でもずっと見てたみたいだしなぁと思いながら眺めていたけど、大崎くんはおぼつかないながらも、端末に文字を入力できているし特に問題はなさそうだった。

今日は〝め〟の文字が行方不明なわけでもなさそうだし……なら大丈夫か。

じゃあ、なんで見てたりしたんだろうなぁと考えながら伝票に精査印を押していて、もしかしたら仕事中のあからさまな私語が許せなかったのかなという考えにたどり着く。

大崎くんは一直線な子だし、あんな風にカウンター挟んで話しこむなんていうのも見るの初めてだったのかもしれないし……もしかしたらそうかもしれない。

別に先輩として株を上げたいわけでもないけれど……あまり褒められた行為ではないのは確かだから、気を付けようと気を引き締め直す。

決起集会は六時からだから、勘定が合わないなんて事になったら一大事だし、今日は特に気を付けて作業を進めないと。
そんな事を思いながら午後の業務を終えた。



決起集会は予定通り六時から無事行われた。

勘定は合って伝票も合ったしで、順調に進んだ締めの作業は、定時に終わり。
それからゾロゾロと十分ほど歩いた先にある高岡飯店は貸切らしかった。

もっとも高岡飯店はチェーン店とかではない、自営業のお店だし、二十四人で押しかけたらそうなるのも当たり前かもしれない。



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