その唇に魔法をかけて、
「ここに来てしばらく経つのにいだに基本的なことでミスするし、今日だって時間外なのに大浴場の暖簾出しっぱなしだったでしょ? なんで暖簾が出てるのに入れないんだってお客さん怒ってたんだからね」
午後、かえでから大浴場の掃除を頼まれた。入浴時間になるまで暖簾は下げていなければならないが、うっかり暖簾をしまうのを忘れてしまったことに言われて気づく。
「すみません……」
「深川さんって、ぼーっとしてるし、この仕事向いてないんじゃない?」
冷たく吐き捨てるような言葉がグサグサと胸に突き刺さる。そして、とどめに「やめれば?」とも取れるようなことまで言われ、美貴はいたたまれなくなってぐっと乾いた唇を噛むと無言で部屋を出て行った。
午後、かえでから大浴場の掃除を頼まれた。入浴時間になるまで暖簾は下げていなければならないが、うっかり暖簾をしまうのを忘れてしまったことに言われて気づく。
「すみません……」
「深川さんって、ぼーっとしてるし、この仕事向いてないんじゃない?」
冷たく吐き捨てるような言葉がグサグサと胸に突き刺さる。そして、とどめに「やめれば?」とも取れるようなことまで言われ、美貴はいたたまれなくなってぐっと乾いた唇を噛むと無言で部屋を出て行った。