恋した責任、取ってください。
 
確かに私は、先月の植樹イベントのとき、何かの役に立てればと思って、今回植える苗木の成長年月やなんかを色々調べて臨んだ。

知識として身に付けておいても損はないという完全な自己満足だったけど、たまたま近くにいた親子連れの参加者さんに質問をされ、四苦八苦しながらもなんとか答えられたのだった。

小学2年の男の子と、そのお母さん。

2人とはそれがきっかけで仲良くなり、散策コースをブラブラと下っている間も、男の子は選手の皆さんそっちのけで私と喋ってばかりで。

私と話していていいのかなぁ……と思う反面、こんな私にも懐いてくれたことがことのほか嬉しくて、私のほうからも、ついつい「この木は栗の木だよ!」とか「この虫は尺取虫って言うんだよ!」などと話しかけてしまった。


そんなところを高浜さんが見ていたとは思っていなかっただけに、素直に嬉しい。

誰かに認めてもらえるって、きっとこういうことを言うんだろう、私の斜め方向な仕事ぶりが初めて真っ直ぐになった気がする。

これで少しは使える人間になっただろうか。

じーんと胸を打たれていたけど。


「うっひゃっひゃ!アンナの頭みてー!」

「高浜さんに感動してたのに……」

「感動? そんなのいーよ、ウケるー!」

「……」


当然、高浜さんには通用しなかった。

グリグリ撫でているうちに、アンナちゃんという彼の天然パーマをしっかり受け継いだ娘さんの頭に似てきたらしく、奇妙な笑い声を上げるほど、高浜さん的にツボにド嵌りしている。

ブルスタメンバーを担当別に分けると、大地さんが和み担当なら、高浜さんはおふざけ担当だ。

たぶんこの三枚目キャラがアメリカ人奥さんのハートを鷲づかみにして離さないのだろうと思うけど、いかんせん私は日本人なので、やっぱりこのノリには付いていくのは難しそうだ……。
 
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