恋した責任、取ってください。
「ああ、ホント自分が嫌になる……」
チーム・ブルスタまでの廊下をトボトボと歩きながら、自然と独り言が漏れてしまう。
イレギュラーな呼び止められ方をしたくらいでカエルみたいな声が出るし、泣いた跡も上手く隠しきれないし、極めつけは相手の都合を丸無視して15階まで連れてきちゃったことだよ……。
でも佐藤さん、優しいんだよなぁ。
気遣ってくれたり、怒るどころか私のボケには耐性があると言って笑ってくれたり、今日の夜だってきっと、弥生とのことをきちんと私に説明するために誘ってくれたんだろうと思う。
ほんと、誠実を絵に描いたような人だ。
「……ん?」
しかしそこで、一つの単語が頭に引っかかった。
あれ? 耐性ってなんだろう?
私のボケっぷりには慣れているという言い方じゃなかったしな……と、なんとなく気になり、スマホで意味を調べてみる。
けれどこれといってピンと来るものはなく、私って佐藤さんの前では常にボケキャラなのだろうかと、グルグルと考え込んでしまった。
「なっちゃん、そこ壁だよ……」
「うわっ、ほんとだ!」
「……ドンマイ」
「はい……」
その結果、見事にチーム・ブルスタの部屋の前を通り過ぎてしまった私は、行き当りの壁に頭を打ち付ける直前にちょうど中から出てきた恵麻さんに声をかけられ、なんとか回避。
次いで残念な目で見られつつ、それでも一応励ましの言葉を頂き、赤っ恥をかいたのだった。
けれど片付けなければいけない仕事は山積みなので、恵麻さんに立候補を取った紙に目を通してもらい、次の指示を受けると、目指せ定時上がり!と気合を入れ直して業務に取り掛かる。
清掃イベとバスケ教室の参加メンバーのリストと挨拶文を作り、それをブルスタのホームページにアップするのが今日のこれからの仕事だ。