恋した責任、取ってください。
でも、この味が今は不思議と落ち着く。
もう一口、そろそろと流し込んで、近くにあったテレビのリモコンの電源ボタンを押す。
テレビの中では今日一日の出来事を振り返るニュース番組がオンエア中で、ちょうどスポーツコーナーに移り変わったタイミングだった。
それをBGMにしながら「またフラれたってどういうこと?」「ちょっと誤解を解きたかったんだけど、弾みでね……」と、私たちの会話は徐々に大地さんのほうへと切り替わっていく。
「誤解って、例のバージン?」
「そ。私だけにはどうしても好かれるわけにはいかないんだって。さすがに泣けちゃってね。キャプテンの高浜さんに見つかって、慰められて、で、佐藤さんに……。ざっくり言うと、今日はそんなことがあったワケですよ」
思いがけなくハードだったなぁと呟くと、弥生に無言で頭をよしよしと撫でられてしまった。
……いや、私お姉ちゃんだからね。
ちょっと恥ずかしいよね、とは思ったものの、弥生の優しさにジーンと胸を打たれ、彼女の手が離れるまで撫でられておくことにした。
あのとき、高浜さんにも『ウズラはそのまま頑張ってりゃいーんだ』と励ましてもらったけれど、頑張るって言っても実際にはどうしたらいいのか、どうやったら大地さんに私自身を見てもらえるのか、ちっとも分からない。
8月のバスケ教室が終わればシーズン開幕に向けて練習もハードになっていくだろうし、そんな大事な時期にわざわざ大地さんの邪魔になるようなことはしたくないし、と考えはじめてしまうと、どうにもやるせない気分になる。
改めて仕切り直すなら、シーズンが終わってから……来年の春くらいだろうか。
それまでには、なんとか普通に話せるくらいの関係性まで修復させておきたいんだけども。
そんなことを思っていると。
「でもさお姉ちゃん、よく佐藤さんがお姉ちゃんのことを好きだって分かったね。あたし、佐藤さんに感動したよ、よっぽど本気なんだね」