恋した責任、取ってください。
 
その後。

続々と集まり始めた生徒さんたちで、私たちの周りは一時、人だかりができた。

頭一つ分も二つ分も抜きん出ているのは、言わずもがな193cmの高身長を誇る、ウチの会社が所有するプロバスケチーム『BLUE STAR』の不動のセンタープレイヤー・岬大地で、いきなりのレギュラー選手のお出迎えに子供も大人も大興奮し、羨望の眼差しを込めて彼を見上げる。

一人一人と丁寧に視線を交え、ニコニコと対応している様を眺めながら、私は一人、チームの一員として大地さんをはじめ選手の皆さんを近くでサポートできる幸せをこっそり噛みしめた。

サポーターともファンとも違う立場から、いつでもこの人のことを応援できるなんて。

……うん、私はなんて幸せ者なんだろう。





キュキュッ、ダンッと豪快な踏み切り音を立てて、193cmのしなやかな体が宙を舞う。

めいいっぱい重力に逆らい、そのまま静止した体は、次の瞬間ゴールにボールを叩き込んだ。


「おお~っ!」

「生ダンクすげ〜!」


参加予定の子供たちが全員揃ったところで始まった、今年のバスケット教室。

クラスごとに分かれての指導が始まった初っ端、大地さんはまるで背中に羽が生えたような軽やかで且つ迫力満点のダンクシュートを決め、初級クラスの子供のみならず、他クラスの子供も、彼らの親御さんの目も一瞬にして奪った。

どよめきが起こる中、プランプランとゴールリングに捕まっていた大地さんは、子供たちを振り返ると得意げな顔をして床に両足を付ける。


「今日はみんなにダンクシュートができるようになって帰ってもらうよ〜。細かいルールとか気にしないで、ガンガンやろう!」


そう宣言し、子供たちに向けていたずらっ子の顔でニシシと歯を見せて笑うと、しかし大地さんは彼らから目線を外してなぜか私を見る。

はて?と思っていると。
 
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